「日本医事新報」(1月14日号)の新春座談会「医師のワークライフバランス」をお読みいただけましたか?
(編集部:座談会には、吉田先生ご夫妻にもご登場いただきました。http://www.jmedj.co.jp/news/view.php?news_id=130)


○「医師カップルの座談会に!」

あの新春座談会は、ちょうど私が「医師不足対策という観点から女性医師がクローズアップされるようになったけれど、男性医師の勤務環境改善も含め、男女両方の働き方やキャリアについて考える必要があるのではないか」と思っていた時期に、医事新報さんから「ワークライフバランス」をテーマにした座談会についてお話があったのがきっかけでした。

「それなら、医師カップルの座談会にしましょうよ!」と私は乗り気。けれど実際は、「そんなこと、できるんですか?聞いたこともない」「座談会に出ていただける医師カップルなんて見つかるの?」と周囲から不安の声もありました。

いま子育てと仕事のやりくり真っ最中の医師カップルを、それも勤務医、開業医、診療科などをバランス良く探すとなると、ちょっと大変そうです。けれど、私には女性側だけでなく、男性側にも語ってほしいという強い思いがありました。



○我が家は夫のほうが大変

男性側にも語ってほしいという強く思うのはなぜかと言うと、座談会でもお話しましたが、我が家の場合は、私よりも夫のほうが大変だからです。

よく国際的な性差別の指標として使用されるものに、夫婦の家事の役割分担における比率というものがあります。少し古いですが、欧米では夫が6割、妻が4割なのに、日本では夫が1割、妻が9割という結果を目にされた方もいらっしゃるかもしれません(参考:総務省統計局「社会生活基本調査報告(2001年)」)。

ワークライフバランスとはいっても、妻の場合はワーク&ライフ&ハウスキーピング(家事やマネジメント)&ケア(家族のお世話)であり、男性と同じ仕事をしていても全体の負荷は、その2~3倍にもなると言われています。

我が家でも、1歳から7歳まで4人の子どもを育てる中で、シルバー人材センターの方に家事を手伝っていただいたり、どうしても代わりのいないときはシッターさんに保育園のお迎えをお願いしたりしますが、やはり夫婦支え合ってやりくりする部分が大半です。



○子育て中の父親にもスポットライトを

そんな中、私は「子どもがいるから」という周囲の目に助けられて、なんとか時間内に仕事を終わらせて帰ることができます。けれど、夫は大学で唯一の感染症内科医として激務をこなし、臨床・教育・研究もこなし、感染制御や院内感染対策も担っていますが、子育てに割く時間やエネルギーは残念ながら仕事の上では認められません。

仕事と家庭の板挟み、まさにワークライフコンフリクトの真っ直中で、おそらく平均的な医師の勤務時間よりずっと多いと思われるタスクを引き受けながら、私以上にたくさんの人に理解し協力してもらって生きています。そんな夫を尊敬する中で、子育て中の父親医師側にも何らかのスポットライトをあてなければ、「女性だけ」の勤務改善では、女性も幸せになれないと痛感していました。

(続く)