○小さな我慢こそ軽視しない

 そんな私の経験から、
 子育て中のママドクター・パパドクターにアドバイスしたいのは、
 妥協していること(=小さな我慢)こそ軽視しないでほしいということです。

 
 小さな我慢もそれはそれでエネルギーを奪うもの。

 「こんなことで悩んでいるなんてばかばかしい」「甘えているんだ」「弱いんだ」と
ネガティブに考える必要なんてありません。
 「楽をすること」「楽になること」に罪悪感を抱かなくてもいいのではないでしょうか?



○妥協していることリストを作る

 子育ての最初の一歩は、実は本当に大変。

 社会的孤立を感じる時でもありますが、
 地域や家族の小さな労り合い、支え合いによって、子育てはずっと楽になります。

 僭越ながら、特に私がお薦めしたいのが
“小さな我慢をリストアップして、ソリューションを見つけること” です。

 書き出した「妥協していることリスト」を1つ1つ解決していくことで、心の余裕を取り戻すようにしています。

 例えば、
・子どもの保育園の送り迎えを一緒にしてくれる人を見つける、
・自分以外の人がしたほうがいい家事・料理はシルバー人材センターの方やファミリー
 サポートさんにお願いする、
・書類をPDF化したり、賀状のあて名を印刷したりというお仕事を業者にお願いする
 といった具合です。


 ある時期の「リスト」はこんな感じでした。

1. 朝晩、4人の送り迎えが大変
2. 毎日、お洗濯が山のようにある
3. 長女のお友達づきあいが心配
4. 自宅でも仕事に集中できる環境がない
5. 部屋が散らかっている
6. 本や資料、授業プリントの整理ができない
7. 泊りがけの出張が出来ない
8. 新聞を読む時間がない



○見て見ぬふりはしない!

 このようにして、自分の中で抱えている不満を書き出すと、

 「どうしたら改善できるか?」
 「何に対し、どのようなとらえ方をしているか?」
 「物の見方が変えられるか?」

 という方向へ考えを進めることができます。


 見て見ぬふりをして解決法を探さない、そしていつの間にか疲れがたまり、仕事や家庭に生きがいを感じられなくなり、楽しむ余裕がなくなる
 このサイクルが一番良くないと思うのです。


 子育て中の医師は、患者さんの人生や背負っているものを含めて患者さんの苦しみを丸ごと受け止める能力を自分の経験から学んでいます。
 同じように、自分の人生管理もトータルで考え、患者さんに気持ちよく接するためにも自分の体や家庭を気遣うのは賢明な生き方だと言えるでしょう。


 他人に助けを求めることに罪悪感を持たず、胸を張って「自分が自然にしていても、楽な状態でも、いいんだ!」 と思えるかどうか、今から「妥協していることリスト」を書いて、解決策を探ってみてはいかがですか?
 
 その上で、「妥協している(=ちょっと我慢していること)リスト」優先順位をつけ、

1. 自分が対処すべきなのか
2. ただちに対処すべきなのか
3. 対処できることなのか
4. 一時的なものなのか、長期的なものなのか
5. 今までに似たような経験をしたか
6. どの程度サポートを得られそうか
7. サポートは、誰から、どのくらい、何時間くらいか

と考えるだけでも、次に進めるかもしれません。


 この場合、「他人に助けを求める」=自分でできないことは自分でやらなくて良い、ということであって、「妥協は許さない」ということではありません。

 どんな小さな願望(妥協していること=小さな我慢)といっても、必ず解決策が見つかるとは限りませんから、それらを全部拾い出して、その実現のために「妥協してはいけない」「解決策を探さなくてはいけない」となったら、ストレスが増してしまいます。


 解決策を考えてもその時点では無理なことは、とりあえず「妥協してよいことリスト」に保存してもよいのではないでしょうか。
 でも、もし、リストアップすることで助けを得られそうなこと、解決できそうなことが一つでも見つかれば、明日からの生活が多少楽になるのは間違いありません。